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業務委託の報酬を時給換算する方法 ── 固定報酬・月額・時給制を同じ物差しで比べる

固定報酬や月額の案件も、時給に換算すれば条件を横並びで比較できます。報酬形態ごとの計算式と具体例、換算でやりがちな間違い、実質時給との違いまで解説します。

Freelogue編集部

「固定報酬20万円の案件」と「月額30万円の契約」、どちらが条件として良いのでしょうか。金額だけを並べても答えは出ません。かかる時間が違えば、割の良さは逆転します。報酬形態のばらばらな案件を同じ物差しで比べるには、時給に換算するのが近道です。

報酬形態ごとの時給換算のやり方

やることは共通で、報酬をその仕事にかかる時間で割るだけです。ただし報酬形態によって「何で割るか」が変わります。

時給換算 = 報酬額 ÷ その報酬を得るためにかかる時間

固定報酬(プロジェクト単位)

案件全体の報酬を、着手から納品までにかかる総時間で割ります。報酬20万円の案件に80時間かかるなら、時給は2,500円です。同じ20万円でも50時間で終われば4,000円になります。

月額(準委任・保守契約など)

その月に稼働する時間で月額を割ります。月額30万円で月60時間の稼働なら5,000円、月100時間なら3,000円です。「月額が高い契約ほど良い」とは限らず、拘束される時間しだいで大きく変わります。しかも月額は稼働が増えても金額が動かないため、換算時給の低下に気づきにくいのが厄介な点です(月額固定契約の実質時給の落とし穴)。

時給制(すでに時給が提示されている)

一見そのままですが、実際に請求できる稼働時間だけがカウントされる点に注意します。移動や待機が請求対象外なら、拘束時間ベースの実効時給は提示額より下がります。

報酬形態かかる時間換算時給
固定報酬200,000円80時間2,500円
月額300,000円100時間/月3,000円
時給制4,000円/時拘束10時間で請求8時間実効3,200円

時給換算でよくある間違い

換算した数字が実態からずれるのは、たいてい引き忘れ・数え忘れが原因です。

  • 税金と社会保険を引いていない — 額面の報酬で割ると、手取りベースの時給は実際より高く見えます。おおまかにでも、税・保険を引いた後の金額でも計算しておくと安全です。
  • 経費を差し引いていない — ツール代・外注費・交通費などがかかる案件は、その分を報酬から引かないと割の良さを過大評価します。
  • 営業や事務の時間を数えていない — 提案書の作成、打ち合わせ、請求業務にかけた時間は、制作時間の外側で積み上がります。ここを無視すると、換算時給は都合よく膨らみます。

とくに3つ目は見落としがちです。「作業そのものは短かったが、やりとりに追われた」案件ほど、換算時給と体感のズレが大きくなります。

時給換算と「実質時給」の違い

ここまでの時給換算は、多くの場合これから受ける案件を見積もる、いわば事前の目安です。これに対して実質時給は、実際に記録した累計作業時間で売上を割った事後の数字です。

見積もりの換算時給が4,000円でも、修正や打ち合わせが重なって実際は120時間かかっていれば、実質時給は2,000円台まで落ちます。換算で入り口の条件を判断し、実質時給で終わった後の実態を答え合わせする。この2つを使い分けると、次の見積もりの精度が上がっていきます。

換算した数字をどう使うか

時給に直す目的は、数字を出すことではなく判断に使うことです。

ひとつは単価交渉です。「この案件は換算すると時給2,500円で、同種の仕事の相場より低い」と根拠を持って言えれば、感覚論ではなく数字で値上げを切り出せます。

もうひとつは案件の取捨選択です。手元の案件を換算時給で並べると、金額の大きさとは別の順位が見えてきます。単価は高いのに換算時給は低い案件、地味だが効率の良い案件。空いた時間をどちらに振り向けるかを、数字で決められるようになります。

Freelogue は案件ごとに作業時間を記録し、売上と突き合わせて実質時給を自動で算出します。見積もりの換算値が実際どうだったかを、案件が終わるたびに確かめられます。まずは手元の1件を時給に直すところから始めてみてください。

よくある質問

Q. 時給換算は額面ベースと手取りベース、どちらですべきですか? A. 案件同士の比較なら、まず額面ベースでそろえるのが簡単です。ただし「生活にいくら残るか」を知りたいときは、税金・社会保険・経費を引いた後の金額でも計算してください。額面だけで判断すると、経費の重い案件を過大評価してしまいます。

Q. 稼働時間には打ち合わせや事務も含めますか? A. 含めることをおすすめします。時給換算の目的はその仕事に自分の時間をどれだけ使うかを知ることです。制作時間だけで割ると数字が実態より高く出て、案件選びの判断を誤ります。

Q. 見積もり時間が読めない新しい種類の案件はどう換算しますか? A. 過去の似た案件の実績時間を出発点にします。実績がなければ多めに見積もり、案件終了後に実質時給で答え合わせをして、次回の見積もりに反映していきます。記録が積み上がるほど換算の精度は上がります。

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